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デファクトレビュー (2017.12.24)

DEFACTO REVIEW (2017.12.24)


December 24th, 2017


Д.Жаргалсайхан
@jargaldefacto


3383   0


29 min


1. 国会議員の特権

2. 国際通貨基金(IMF)とモンゴル経済

3. フシギーン・フンディに位置する新空港

4. 政策金利の引き下げ


国会議員の特権

 国会議員の特権を制限し、警察は国会議員に対し捜査する事ができるようになった。国民の要求により憲法裁判所で会議が開かれた。その内容は、国会議員は一般市民と同様に捜査対象となるかを協議し、そして議決された。モンゴル国会法の規定で、犯罪行為中もしくは犯罪現場の証拠に基づき逮捕された場合のみ取り調べを受けると定められているが、それが変更された。この国会法の規定は平等の権利を侵害していたのだ。

 これについて私見を述べる前に、一部の国会議員の発言を振り返ってみよう。ニャムドルジ法務大臣は「憲法裁判所は国民の要求を受け取るべきだ」、ボルド議員は「犯罪事件に関連している場合は、国会議員でも取り調べを受けるべきだ」と述べた。ニャムバートル議員は「冤罪を無くさなくてはいけない」、テムーレン議員は「タイミングの良い決断になった」と言った。ダワースレン議員は「憲法裁判所の役員、特にスガル氏本人は犯罪者であるにも関わらず裁かれず、私たちに圧力をかける様な法律を出すべきではない」と述べた。これらの議員たちの発言内容を考えると正義についての問題が見えてくる。

 今、モンゴル国民は正義を求めているのだ。特に正義を体現すべき人々の正義を求めているのだ。 党の政治資金の使途は不明な点ばかりだ。政党は、政府と国民を繋ぐ代わりに政府と秘密の集団を繋ぎ、欠陥のある民主主義ができている。これに当たらない人はただ一人の無所属議員であるジャブハラン議員だけだ。その他の75人の国会議員が政治資金を明確にしなくても、追及されないことが体制的に確約されている。これはモンゴルだけではなく共産主義の国々に見られるが、モンゴルでは露骨に表れている。簡単に説明すると政府は国民に対してではなく、一部の人間のみにサービスを提供しているという事だ。従って今のモンゴルには正義が不足している。今日の国会では様々な審議を行い、犯罪行為が起きない事を強調している。今の国会議員は党からの政治資金についての法律を審議しない限り、正義が成り立たないと思っている。いやもしかすると審議すらしないかもしれない。

国際通貨基金(IMF)とモンゴル経済

 国際通貨基金(IMF)は、モンゴル経済は急速に回復していると評価した。IMF理事会は協議で拡大信用供与プログラムの第一段階と第二段階の評価を12月15日に確定した。ニール・セーカー(モンゴル市民代表)の報告書によると、モンゴル経済は予想以上に速く回復し、好結果が出ていると評価している。理由は同プログラムの全目標項目を達成していることだ。構造改革に関する諸策の実行率も高評価だった。

 景気が回復していると言われているが私はそうは思わない。IMFはモンゴルへ低金利の融資をし、それでモンゴル政府は高金利の国債を償還しているのでモンゴルの外貨準備高は増加した。それに伴いトゥグルグの為替レートが安定してきた。もちろんこれは良いニュースだ。外貨準備金は25億米ドルに達したが、これはIMFの融資でできている事を忘れてはならない。

 景気の回復に関して、まず民間企業が回復できたのかを確認すべきである。しかし、民間企業が回復するどころかモンゴル政府は民間企業に圧力をかけている。高額所得者として150万トゥグルグ以上の給料の税率が25%となる。これについてIMFはなぜか賛成している。25%の税率が適用される1月1日から、意図的に人々の給料が150万トゥグルグ以下に下げられるだろう。すると納税額も減少する。給与の代わりにマンションや乗用車という形で支払われる。企業が従業員を失わないためだ。経済回復というのは民間企業が活性化し、失業率が下がる事を言うのだ。

 IMFの契約条件通り、銀行の自己資本比率評価が完了した。12月15日までに全銀行が資産評価報告書を自発的にモンゴル銀行に提出した。韓国も1998年に同じ様な状況下で資産評価を行い、20行あった銀行のうち4行が残った。残れなかった銀行を再生するため、政府援助で健全な経営を取り戻させ危機を乗り越えた。モンゴルでも大きな危機を乗り越える為の大きな一歩が私達を待っている。もし、現在の銀行の財務の健全性を上げなければ、銀行は預金者の預金でエルデネト工場を買い取った事件と同様に不正を働くだろう。銀行の資本金を増資する事についても問題がある。不良債権に対する引当金を準備する事についてもモンゴル銀行総裁は透明で明確に行うべきである。

 正義がないので正当な競争もない。正当な競争がないので民間企業にとってビジネスが成り立たない。今や国会議員はモンゴルの大企業のオーナーになっている。また債務超過の国有企業が沢山ある。国有企業の赤字を国家予算で補填しているのだ。彼らは、どれくらいの子供たちにとって学校がないのか、どれくらいの病人に病院がないのかを考えていない。

 あなたの給与であなたの家族だけを養っているわけではない。あなたは、沢山の国会議員や高官の経費を負担している事を忘れないでほしい。

フシギーン・フンディに位置する新空港

 フシギーン・フンディに位置する新国際空港はモンゴル民間航空局の試験飛行チームが試験飛行を行った。この試験飛行は国際飛行基準通りに行われた。計器着陸装置(ILS)や距離測定装置(DME)を利用した着陸を安全に行えることを表した出来事となった。

 現在、チンギスハーン国際空港の年間旅客数は100万人だが、新空港が開港すれば旅客数は300万人に達する。新空港の建設自体は完成したが、道路が未完成だ。新空港は日本からの6億ドルの借款で、40年間の期限で0.1%の金利で建設された。空港を完成させる為には二種類の試験を行う必要がある。一つは離着陸の問題はないか、もう一つは機械装置は完全に動作するかを確認する。先週は機械装置の試験を行った。

新空港は日本の共同事業体、コンソーシアムとモンゴル政府が共同で運営する。日本は51%を運営し、30年間マネジメントを行う。日本の共同事業体には三菱商事、羽田空港と成田空港という東京の二大国際空港会社が入っている。また、株式会社JALUXという日本の空港運営会社が入っている。これはノウハウを取り入れ、そして日本基準をモンゴルに導入する一番大事な一歩だ。また、中国からの5億ドルの借款で三方面への道路を建設するが、その中の一つ35キロメートルに続くヤールマグ地域から新空港までの道路で問題がある。

 この道路建設をしようとすると約140社の私有地を横断する事になる。その為長期に及ぶ交渉の末、来年の4月から道路建設が始まる。飛行場自体は1200ヘクタールの土地を利用する。それを囲むように10倍の面積となる12000ヘクタールを新空港用に2010年に政府が土地の使用許可を与えた。しかし、2014年にトゥブ県セレグレン郡の郡長は500ヘクタールをある会社に売却していた。この土地に関する件で裁判となり、政府が敗訴した。空港周辺に様々な施設を建設しなければならないが、肝心の土地が使えない。

 もう一つ注意すべき点は国営航空会社のMIATモンゴル航空を民営化にする問題だ。MIATモンゴル航空を民営化せずに路線増加は見込めない。理由は、モンゴルではMIATモンゴル航空が占有的に飛行しているからだ。

政策金利の引き下げ

 モンゴル銀行政策委員会は、政策金利を1%引き下げ11%とした。主な理由は経済の活性化と就労支援だ。また、マクロ経済のリスクが減少した事と関連しているとのこと。

 政策金利は今年初めに引き下げるべきだった。遅くとも春に引き下げるべきだった。政府とモンゴル銀行は、大きなお金が集中している機関だ。政府はモンゴル銀行に圧力かけ、何も残さずにむしり取ってしまう。しかし政府は外国から低金利の借款を受けることで、モンゴル銀行からお金を取る必要がなくなり、政策金利を引き下げざる得なくなった。

 しかし政府とモンゴル銀行の繋がりは切れていない。モンゴル銀行には幾つかの手段がある中の一つは、全商業銀行が必ずあるべき貸し倒れ引当金だ。全国民及び法人の預金残高の13%をモンゴル銀行の口座に入れるべきだ。もちろんインフレが発生する可能性があり、モンゴル銀行は5%だったインフレ率を8%になると予想。政策金利を引き下げ過ぎると、通貨は経済に入り始めインフレが増加する。インフレが増加すると全ての政策に意味がなくなる。私達が銀行に預金する時、せめてインフレ率を上回る利息を得ようと思っている。インフレとは失われた機会でもある。私たちは14%の金利で銀行に預金しているが、実際に6%しか利益を得ていない。残りの8%は無価値である。

 日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC http//translate.mig.asia





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