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デファクトレビュー (2018.02.04)
DEFACTO REVIEW (2018.02.04)
32 min
1. 仲裁裁判所からエルデネト鉱業を差し押さえる判決が出た
2. 個人所得税10%に戻る
3. ムーディーズ: モンゴル経済状況
4. 民主党がデモを主催
仲裁裁判所からエルデネト鉱業を差し押さえる判決が出た
エルデネト鉱業はロンドンの国際仲裁裁判所で敗訴した。これはモンゴルの石油輸入業者ジャストグループの前社長Sh.バトフーがエルデネト鉱業の株式の51%を担保にエルデネト鉱業の印鑑を使ってイギリスのスダンダートチャータード銀行から1億900万ドルを借り入れた事件である。しかし、仲裁裁判所は1億900万ドルではなく、5100万ドルを返済する判決を下している。そして本件で仲裁裁判所の4年間の審理に掛かった4400万ドルも支払うこと。また、エルデネト鉱業の資産の差し押さえと1日当たり7500万トゥグルグに相当する金利を支払う判決が出た。
これについて政府は公式発表を行っていない。エルデネト鉱業は保証を出し、ジャストグループが返済できない場合はエルデネト鉱業が返済するという契約に基づいた判決であると思われる。ジャストグループの前社長Sh.バトフーの署名が偽物であるという問題も発生し、彼を逮捕した。しかし、数か月後に健康状態が思わしくないということで釈放され、その1年後に恩赦の対象となり、この問題が凍結していた。しかし、スダンダートチャータード銀行はこの事件を粘り強く追い続け、今ではモンゴル国有企業のエルデネト鉱業が約1億ドルを返済する義務を負っている。
まずこの判決後どうするか?次にこの事件はどうして起きたのか?最後にこのような事件を防ぐためにどうしていくか?という疑問が残る。事件はどうして起きたのか? 2008~2012年の間にジャストグループはスダンダートチャータード銀行から借入をし、分割で返済していた。6回に渡って2000万から3000万ドルを借りたり、返済したりしていた。ジャストグループはモンゴルの石油輸入企業であり、ディーゼル燃料をエルデネト鉱業とウランバートル鉄道公社に供給していた。しかし、エルデネト鉱業も鉄道サービスを受けているが、鉄道公社に払うべき鉄道サービス利用料を支払えなかった。ここでジャストグループはエルデネト鉱業の鉄道公社に支払うべき料金を肩代わりし、その代わりに銅精鉱を譲り受けることとなった。この関係は続き、間もなくジャストグループは石油輸入の他に銅精鉱を売るようになった。2012年に政権が交代し、勝利した民主党がエルデネト鉱業の代表に自党に関係する人物を任命し、ジャストグループとの関係が停止した。この停止した間に何千万ドルもジャストグループの返済が滞ったため、スダンダートチャータード銀行が告訴した。モンゴルの民間企業が国有企業とこれほどまで蜜月な関係を築くためには、政治の支援なしでは進まない。
仲裁裁判所の判決を認め執行する1958年のニューヨーク協定がある。モンゴルはこの協定に1994年に加盟した。この協定によれば仲裁裁判所の次の措置はモンゴルの裁判所に告訴しなければならない。もちろん、これは非常に時間がかかる。モンゴルはSh.バトフーとスダンダートチャータード銀行が締結した契約書の原本をもらうことになる。この時にその署名が本物であったか、偽物であったかが明確になると思う。とにかくモンゴルはこの借金を返済することになる。そこでまずモンゴル国がスダンダートチャータード銀行に返済した後にそのお金をジャストグループに請求すべきである。ジャストグループはセービング銀行を買収し、その後売却しようとした時に政権が変わり認められなかった。そして政府はセービング銀行を差し押さえた。だからジャストグループに返済してもらうとしよう。しかし、彼らが持っていた最大の資産を政府が差し押さえてしまった。その差し押さえたセービング銀行の資産は今ではステート銀行にある。そのステート銀行にあるセービング銀行の資産で本件の返済をしてもらうべきだと思う。これはモンゴル国の名誉に関わる問題であり、モンゴルの政府の現状を世界に見せたものである。
次の問題はこれからこのような問題を起こさないためにどうするかである。国有企業を民営化しないので、殆どの国有企業が政党のものとなっているのが現状だ。私たち国民は政党を監視すべきである。今回の件は国有企業を民営化しなければ、政党が所有しているということを改めて世に知らしめた。
個人所得税10%に戻る
国会で個人所得税の改正法案が65.9%の賛成で可決した。2017年4月の所得税改正法案で可決されて以降、政府は税率システムを一から開発していたが、それを変更し税率10%を維持することとなった。市民に高い税負担を強いることを防ぎ、経済への良い影響を与えることが目的と宣言された。
しかし、調査に基づいて法案が提出されるべきという法律立案の規定がある。約10%の課税としているのは世界で40ヵ国以上ある。計算も簡単だ。この10%の課税の決定がモンゴルにビジネスを活性化させた時期もあった。市民からの反対行動もあり、また税率変更を発表した途端、企業は従業員の給与を減らし始めたことに関連して元に戻した。さらに、税収が以前と変わらなかったことも関わっている。税率を引き上げる度に税収が減少する。これをラッファー曲線という。政府からの課税が減少すると税金の徴収範囲が拡大する。10%の税率を人々は好意的に受け入れ、これにより彼らの消費行動が活性化する可能性が高い。この上がらなかった税金で経済の停滞が減り、競争力が高まる。
ムーディーズ:モンゴルの経済状況
格付け会社:ムーディーズの報告によると、モンゴルの主な輸出品価格は近年安定し、今後7%増加すると発表した。ムーディーズの信用格付けで来年の対外債務返還額は、モンゴルの外貨準備高より50%上回る見通しだ。また、モンゴル政府の債務が国内総生産の81%に達している事が問題となっている。国際通貨基金(IMF)の構造調整プログラムを成功させ、実施する事で上記の問題を乗り越えると述べた。
国や企業の信用状態について独自の格付けをする国際機関としてムーディーズとスタンダード&プアーズ、フィッチ・レーティングスがある。格付けを行い当該国の債権の金利を投資家に報告する。しかし、ムーディーズはモンゴルの悪い結果を少し上げ、投資危険国から投資安定国という内容に変更した。
これは大したニュースではなく、「少し上がっている」という言葉を政治家が利用して話しているのが問題だ。モンゴル経済は国内総生産の80%に相当する対外債務があるにも関わらず「少し上がった」と発表した理由は、主な輸出品である石炭、金、銅の価格が安定し、今後は価格が上昇するのでデフォルトしないという理屈からだ。外国の投資家は皆スマートだ。莫大な債務と経済が鉱業に完全に依存している国に外国の投資家は慎重に対応する。
構造調整プログラムの目的は、政府の経済への関与を減少させ、民間企業の競争を支援し、政党の経済参加を削減、党融資の公開などである。
人々は価格の自由化というと物価の上昇と考える。もちろんそうだ。しかしまた低下もする。なぜかというと生産した商品は販売する為であり、保管する為ではない。売れなかった商品は価格が下る。これと同様の仕組みが建築業でも起こってほしい。抵当権の販売が開始する度、建築価格が大きく変動し、3万世帯がアパートを持ち、17万世帯がアパートを夢見る。この大きなズレは不平等な価格決定の結果である。
民主党がデモを主催
民主党は2月1日、政府に反対するデモを主催した。失業と貧困、税金の圧力と書かれた大きな荷物を背負ったデモ参加者は、バローン・ドゥルブン・ザマからスフバートル広場まで行進した。このデモ行進に民主党党首と現役の国会議員数人が参加した。民主党党首は、国会で与党は少数派の議員を無視していると述べた。
またこのデモを主催する為、民主党はバスで人々を動員し、その費用を出したと噂もあった。国会議員だけではなく私たちは誰でも表現の自由を有し、デモを行う事が出来る。しかし、今回のデモはその目的が明確ではなかった。国民が苦労を強いられているとの内容だったが、主催参は苦労している人々には見えなかった。
デモ参加者にスローガンが書かれた大きな荷物を持たせていたが、実際にはその荷物を国民に背負わせているのは与野党双方である。国民がデモを起こす場合、人民党・民主党関係なく政府への反対でデモをする。なぜなら人民党と民主党は、交代で政権を握り、現在の状況に至った。元々この二つの政党が私たちを混乱させていると考えられる。
日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC http//translate.mig.asia
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