JDF
INFORMING. INSPIRING. EMPOWERING.
JDF

Social

デファクトレビュー (2018.03.11)

DEFACTO REVIEW (2018.03.11)


March 11th, 2018


Д.Жаргалсайхан
@jargaldefacto


2425   0


30 min


トロント証券取引所でIPO(新規株式公開)をする。

鉱業分野の投資が集中するトロント証券取引所で「モンゴリアン・メタルズ・コーポレーション」、「ステッペ・ゴールド」社がIPOをする意向を表明した。資源価格が安定し景気が回復するにつれて探査分野での投資家たちの関心も高まってきているようだ。モンゴルだけではなく世界的に鉱床探査市場が復調していると言っても良い。資源価格が下落し、モンゴルだけではなく世界的に鉱床探査に対する投資は急激に萎んでいた。2016、2017年にオーストラリア証券取引所でIPOをする鉱床探査企業も少なかった。

PDAC総会はカナダ探鉱開発協会が毎年主催している年次総会である。今年の年次総会では特別に「モンゴル・デー」というイベントが設けられ、モンゴルからD.スミヤバザル鉱業・重工業大臣をはじめとする200人が参加した。

「モンゴリアン・メタルズ・コーポレーション」はバヤンホンゴル県に金(Au)、銅(Cu)鉱床の探査プロジェクトを実施している。親会社は「アジア・パシフィック・インベストメント・パートナーズ」である。モンゴルでの親会社は「モンゴリアン・プロパティーズ」という不動産業で知られている企業だ。

「ステッペ・ゴールド」社はオーストラリアとモンゴルの合弁企業である。同社は多くのプロジェクトをモンゴル国内に持ち、オーストラリア証券取引所にIPOをした実績がある。同社はドルノド県やバヤンホンゴル県に金(Au)、銅(Cu)鉱床の探査プロジェクトを持っており、最も良く知られているプロジェクトの一つにフンヌ・コールという石炭プロジェクトがある。そしてこの石炭プロジェクトをタイ大手石炭企業に売却している。

「ザナドゥ・マインズ」社は、長年モンゴルでプロジェクトを実施している会社である。同社の大きなプロジェクトの一つは、以前ターコイズ・ヒル・リソーシズ社が実施していたハルマグタイの銅(Cu)、金(Au)鉱床のプロジェクトである。現在はこのプロジェクトが順調に進んでいる。

トロント証券取引所に登録されている「エルデネス・リソース・デベロップメント」社はバヤンホンゴル県に金(Au)鉱床の探査を実施している。同社はモンゴル証券取引所でIPOする意向を表明している。もし、モンゴル証券取引所にIPOできれば、モンゴル初となる(トロントとモンゴルでの)重複上場企業となり、重複上場が可能であるというメッセージにもなる。モンゴル証券取引所に上場する主な目的は、大規模な資金調達ではなく社会的責任という見方が強い。同社はモンゴルで活動を実施いているが、海外の証券取引所に上場しているとの批判の声があった。モンゴル人は現在、同社の株をオーストラリア証券取引所、トロント証券取引所のどちらからでも買うことができる。

家畜の急性伝染病

2018年に入って404世帯4468頭の家畜が口蹄疫に感染し、3268頭の家畜が殺処分された。今年中にロシアから710万本のワクチンを購入することになっている。その1回目となる50万本のワクチンを口蹄疫発生のために購入した。ここでいつも疑問が生じるのは本当に口蹄疫が発生したのか、そのワクチンの購入と量が話題となる。ワクチンとは病気を予防するためのものであって病気が発生した後に接種するものではない。

周知のように政府が法律に則り入札を公表し、そこで落札した会社が外国からワクチンを輸入し、政府に売却している。そのため、夏と秋には家畜に予防接種をする必要がある。モンゴルが食肉輸出国となるのに妨げとなっている主な要因は家畜伝染病である。この問題を解決しない限り、いかなる努力も水泡に帰す。鉱業に頼ったままになる。

そのため、各県における家畜の登録を実施し、家畜伝染病が発生した地域とそうではない地域での家畜の区別を実施していく必要がある。モンゴル全土において一部でも家畜伝染病が発生すると全ての食肉の輸出が止まってしまう。中国では食肉需要が増加しているが、モンゴルはこのように家畜伝染病などの問題を解決していないから輸出ができなくなっている。これはマネジメントの問題と見ている。モンゴルが本当に食肉輸出国となりたければ、入札を商売にせず、違う側面でみていくことが経済活動の多様化につながる。

ロシアは気候的にモンゴルと類似している。さらに家畜伝染病においては豊富な経験をもっているためワクチンを購入しているのだろう。しかし、ワクチンを仕入れている者が意図的に口蹄疫を感染させているのではないかという疑惑が国民の間で浮上している。

ロシアとの貿易額が52%増加

隣接国との貿易額をみると取引高の61%を中国、16%をロシアが占めている。しかし中国との貿易額は0.3%、ロシアとの貿易額は52%増加している。

このような数字が出ているが、モンゴルにとって貿易において主なパートナー国はいまだ中国である。モンゴルからロシアへの輸出額は30.4%増で520万ドル、輸入額は50.3%増で1億2300万ドルとなっている。この1億2300万ドルのうち5400万ドルはガソリンであり、18.4%増加している。貿易額が増加した理由は輸入増であり、輸出が増加してないことがわかる。昨年、国際市場におけるガソリン価格の上昇を受け、モンゴル政府は特別税を引き上げた。しかし、ガソリンA92 、A80の税を引き上げず、ディーゼル燃料など高効率燃料の輸入税を引き上げた。輸入増加の背景には国際市場におけるガソリン価格上昇と特別税引き上げなどがあるかもしれない。

モンゴルとロシアの貿易額は輸出が520万ドル、輸入が1億2300万ドルで、アンバランスさが見られる。私たちはロシアから購入するが、彼らは私たちから殆ど購入しないということである。輸出が少し増えた理由は鉄鉱石の輸出と関係している。

また、ロシアの輸送価格は高い。つい最近、ロシアを経由する鉄道建設契約が締結された。ここで一つ問題なのは、ロシアを経由しヨーロッパ市場までの中間輸送費用が高いということである。ロシアへの市場はあるが、そこから先、鉄道を通してヨーロッパ市場に出る方法を考えなければならない。モンゴルの特定商品はヨーロッパ諸国に関税なしで輸出可能である。私たちはこの機会をあまり利用しておらず、現在はカシミアの輸出のみに利用している。モンゴルの貿易政策は外務省が担っている。

女性の権利

国際婦人デーとなる3月8日を世界100ヵ国が祝った。女性の権利のために立ち上がってこそ民主主義国では権利を勝ち取れる。モンゴルでは女性の権利が一部で侵害されている。女性の参政権は低く、これが「ガラスの天井」と言われている。この天井より上には女性の参加が極端に少なくなり、中間層、下層での参加が多い。そのため女性のみならず、国民全体が権利を求めるべきである。フェミニズムは男女平等な権利について語られるが、決して女性が男性より優れているという意味ではない。これについて一部では女性が男性を抑圧しようとしていると反対する声もある。

重要なのは、子どもたちが男女平等であることを幼い時から理解して育つ環境である。「ガラスの天井」がある理由の一つには、女性が子どもを産んで職場復帰を早くはたせないことにある。女性は産後、2歳まで育児をするので職場を2年間も離れる。職場を2年間離れて復帰したところ、また最初からやり直すことになる。雇い主は女性を採用するにあたり、いつ子どもができるかと恐れるより、社会的責任として出産を理解する必要がある。また、政府も若い母親が復職しやすい仕組みを作って行かなければならない。女性の社会参加だけではなく、政治参加をも増やす必要があると思う。

デファクトレビューの一部を省略しました。

日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC http//translate.mig.asia


 


Like the article?

Comments (0)


Upvote
0 people (0%)

Түдгэлзсэн
0 people (0%)

Дэмжээгүй
0 people (0%)

Related articles