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デファクトレビュー (2018.04.15)

DEFACTO REVIEW (2018.04.15)


April 15th, 2018


Д.Жаргалсайхан
@jargaldefacto


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32 min


U.フレルスフ首相が中国を訪問

モンゴルのU.フレルスフ首相が訪中した際、中国の指導者三人と会談し、海南島で開かれたボアオ・アジア・フォーラムに参加した。中国は全人代で習近平を国家主席に再選したばかり。また2期10年を任期とする条文を削除する憲法改正案を成立させた。ボアオ・アジア・フォーラムで中国の40年間の改革開放政策の成果を発表したのが特徴的だった。そこで主に四つの経済開放方針を公開した。

  • 対外開放(外資系銀行、保険、金融サービス)
  • 投資環境を整備し、外国の投資家を呼び込む
  • 知的所有権の保護を強化
  • 近隣諸国からの輸入の拡大

これに伴いモンゴル・中国ビジネスフォーラムも行われた。両国から総勢600人が参加し、フォーラムの開会式では中国国際貿易促進委員会(CCPIT)の江澤偉会長が演壇に立ち、モンゴルと中国は共に発展し、経済促進をする必要があると挨拶した。2014年に習近平国家主席がモンゴルを訪問し、両国の交流が急速に発展する事に大きな影響を与えた。中国はモンゴルの投資総額の三分の一を占めていて、それが10万人の雇用を生み出したと述べた。

モンゴルと中国の企業間で総額46億ドル、36の契約調印について調べたところ、半数がMOU、つまり覚書だ。覚書とは、ある事業を始める準備はできているが、考え直す事もあるという意味で、調印したから必ず実行されるという意味ではない。

これらの中で、ブォールルジュート火力発電所の建設プロジェクトに関してボディ・インターナショナル社とチャイナ・ステート・コンストラクション・エンジニアリング社が署名した契約がある。このプロジェクトは4年間の協議の末、約4億5千万ドルの投資契約で施工はすべてモンゴル企業になるとボディ・インターナショナル社のアムンドラ副社長が説明した。またボグド銀行は内モンゴルの銀行より3億ドルの融資を受け、15の契約に署名している。これにはごみのリサイクルと新技術を取り入れたゴミ処分方法を利用して発電するという内容の契約も署名されているらしい。これは民間企業にとって大きな一歩になるだろう。

しかし、政府が締結する契約の主な問題点は、融資の非合理的な使い方にある。理由は、政府高官が毎年変わり、それに伴いプロジェクトも変更される。政策が安定していないので労力が無駄になっている。ウランバートルの下水処理施設を整備する事になったが、これについては三回も審議を繰り返している。裏側にあるのは政府高官と彼らの関連企業との関わりだ。国民は政府高官の関わるビジネスと政府の仕事を区別する事を要求している。

鉄道問題に関して、中国側はモンゴルが自国で解決した上で話を進めると言ったという。実際は中国までの鉄道軌間(線路の幅)※は決められていない。タバントルゴイ炭鉱から国境までの輸送を会社で管理するという問題を解決すると、フレルスフ首相がガショーン・スハイト国境管理所で言った。鉄道問題を解決しなければならない。モンゴル側のせいで鉄道計画が止まっている。私が心配している事は借款でインフラの整備をした後、何らかの理由で中国が鉱物資源を買わないという事になれば、どちらの政府が保証するのか。結局は借金を国民が支払うことになる。

U.フレルスフ首相は「両国にとって2016年に生じた政治的誤解が今回の訪問で解けた」と言った。これは2016年と2017年の選挙と関係がある。特に、大統領選挙でロシアとの交流を深めるという方針と、鉄道軌間について大統領がロシアへ輸送することを前提にすると表明した事などを合わせて、今回の発言になったのではないかと理解した。

首相は帰国の途上、内モンゴルのバヤンノール県を訪問した。北京で中国とモンゴルの首相は合計11の契約書に署名した。これらの契約の一つは、ガショーン・スハイト国境管理所を24時間の国境管理所にするプロジェクトで、総額2,300万ドルの借款を受ける事になった。ガショーン・スハイトはバヤンノール県に位置しているが地方行政が管理していない現状を変更し、バヤンノール県が管理する事で1千万トンよりはるかに上回る石炭輸送ができると首相が述べた。

  • 軌間:モンゴルの鉄道はロシア軌間で幅1520mmなのに対し、中国は標準軌の1435mmとなっている。軌間が違うので国境で車台を取り替える必要があり、鉄道輸送の妨げとなるので、軌間を統一する必要がある。

賄賂対策庁と逮捕

賄賂対策庁は4月10日、2007~2009年に首相を務めたS.バヤル氏、2014~2016年に首相を務めたCh.サイハンビレグ氏を逮捕し、捜査を開始した。容疑は、オユトルゴイ鉱山プロジェクトでモンゴル政府、アイバンホー・マインズ・モンゴリア合同会社、アイバンホー・マインズ・リミテッド社、リオ・ティント・インターナショナル・ホールディングスとの間で2009年10月6日に締結した投資契約、2015年5月18日に締結された「坑内掘鉱山の開発・資金調達計画」の契約で、関連企業が有利となるように働きかけたというもの。

検察はCh.サイハンビレグ氏を正式に公訴した。また同時に裁判所へ勾留請求を提出した。裁判所からS.バヤル氏とCh.サイハンビレグ氏に対し一カ月間の勾留令状が発付された。

大統領が「賄賂対策庁の長官を変えるので、皆さん応援して下さい」と国会で述べた。それから逮捕が連続した。政治的な圧力で逮捕していない事を願っている。現在の賄賂対策庁長官は2016年7月に6年間の任期で任命された。長官が退くのに三つの理由がある。それは辞任、健康上の問題、任期満了の場合だ。長官が変わることの裏側に個人的もしくは政治的な利害関係があるのか、あるいはモンゴル国民の為なのかというのは時が経てば明るみに出るだろう。

Kh.エンフジャルガル氏が賄賂対策庁の長官となり、現大統領とA.ガンスフ氏を鉄道問題で捜査していた。これも賄賂対策庁長官の変更と関係しているだろう。政府高官には汚職の罪を犯した場合、判決が確定する前に被害を賠償してもらいたい。

モンゴルは一つの事件で二人の元首相を同時に逮捕している。賄賂対策庁の名誉がかかった事件となっている。自分の職を守る為に逮捕しているのか、実際に彼らが悪事を働いたのか。どちらになるだろう。

モンゴル大統領が賄賂対策庁の長官を変えるという事は、賄賂と戦う事が出来ていないとみなしているからだ。ならば賄賂の源になっている与野党の党首を贈収賄容疑で逮捕すべきだ。理由は、与野党双方の党首は2016年の選挙で一企業から1千万トグルグ以上の寄付を受けている事を誰もが知っている。彼らはモンゴルの政党資金調達の現在の法律に違反している。与野党双方の党首を逮捕すべきだと賄賂対策庁にアドバイスしたい。

専門と職場

自分の専門を選ぶ事は個人的な問題だが、もし私にどんな専門を選択すればよいかと聞かれれば、データを情報、情報を知識、知識を活用できる能力を身につけなければならないと助言する。最も就職に有利なのはSTEM教育(科学=Science、技術=Technology、工学=Engineering、数学=Mathematics)を専門に学んだ者である。人工知能が変化をもたらす分野は多岐にわたる。しかし、ロボットも人工知能も人間が動かしているので、それに応えられる能力をもった人間が必要となる。

学生が就職できるか否かは、卒業した学校と指導した教師にかかっている。教師の仕事は人を育てることである。その教師に、少なくとも街に出てストライキをする必要が無いほどの給与を出すべきだ。また、教師自身の能力向上の問題もある。教育の基本は知識と能力の両方を身に付けた人を育てることである。まずは母国語を習得すること。次に小学3年生から外国語を教えるシステムを導入すること。個人がスマートフォン、タブレット、ノートパソコンやデスクトップコンピューターを活用した情報収集、他者とのコミュニケーション能力の両方を身に付けることをデジタル・リテラシーと言う。この2つの能力を身に付けさせる仕組みを全国に導入する必要がある。

ウランバートルに住む新しい方法

交通渋滞を解決する方法が一つあり、それは初めてシンガポールで導入された。シンガポールでは市街地を制限区域と定め、制限区域に入る自動車の通行料を高くしている。車に電子チップを搭載した車載器を付け、通行料を徴収する仕組みだ。チップのない自動車には通行料に利子をつける。そして運転免許証の更新をさせないなどの措置を講じている。次に逆ハンドルの中古車の税を引き上げる検討に入る。これは単なる好き嫌いの問題ではない。公共の利益の問題だ。

日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC http//translate.mig.asia



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