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デファクトレビュー (2018.04.08)
DEFACTO REVIEW (2018.04.08)
31 min
春期国民大会議が開会
4月5日から国会議員の80%が出席して春期国民大会議が始まった。今大会議で賄賂対策庁が求める追加予算の審議が予定されている。モンゴルの腐敗と戦う賄賂対策庁は慢性的な人材不足に陥っている。賄賂対策庁の人材登用には内閣の承認が必要だ。賄賂対策庁は政治的腐敗を取り締まる機関だ。ここ最近、元大統領のN.エンフバヤル氏の汚職事件以外、これといった腐敗を摘発していない現状に批判が集中している。賄賂対策庁の組織強化に取り組むことは良いことだが、結果を出さないからと組織を解体するのは早計だ。大統領はその権限で賄賂対策庁長官を指名し大会議に提案する。そして大会議が長官を任命する。つまり大統領が指名した賄賂対策庁長官を大会議が承認するかどうかは分からない。
殆どの政府機関の長には任期がある。政治から独立した機関となるモンゴル銀行や賄賂対策庁などのトップは、大会議の影響を受けず全権を持つべきだと思う。それにより安定的に機能する。現在、彼らの任期は最長で4年で、政党の都合でそれより短くなる場合がある。先日のモンゴル銀行法改正でモンゴル銀行を政治から切り離したのと同様に、賄賂対策庁も政治から独立させる必要がある。モンゴルでは春期大会議と秋期大会議の2つの大会議が毎年開会される。この2つの大会議には多くの「夢のような」法案がリストとして提案される。もちろん全ての法案を可決成立させる事はできない。大会議の一番の問題は、最も議論を巻き起こすであろう法案の審議を会期末に行うことである。なぜならそれはモンゴルの国民的祭典である旧正月とナーダム祭と重なり、国民の注目が逸れた時に議決する意図がある。今大会議は政党選挙とモンゴル国憲法の改正について審議されるので、我々国民は注視していくべきである。
現在、大統領は死刑制度復活の法案を作成している。またその他に子ども手当を100%支給するという法案も作成している。子ども手当法案は、はたして経済的に余裕のある家庭の子どもに2万トゥグルグ必要なのか?結果の見えない歳出になるのではないかと思う。100%支給とすることで、大統領が子ども好きだというイメージを作ろうとしているのではないか。低所得者への手当は当然で正しいことだが、偏った社会手当は不要である。
EUがモンゴルに目を向けないから、死刑制度を復活させてEUの注意を引く必要があると大統領が漏らした。これは外交関係において汚点を残す可能性がある。大統領は国を代表する者なので、このような発言は無責任極まりない。
モンゴル国憲法改正についてはほとんどの政治研究者は同意しているが、法案は大会議に提出されてからかなり変更される。そして国民がその内容を理解する前に成立させてしまう。与野党はそれぞれワーキングチームを立ち上げ、選挙に関する法律を改正するらしい。
法律作成の為の法律には「法案を提出する前に、公共の意見を汲み取り、その結果報告と法案を同時に国会に提出する」と規定されている。これに従い大統領は上記の2つの法案に関して国民の意見を取り始めた。しかし、多くの人権機関は、死刑制度が犯罪を防止することに役立ってはいないと結論づけている。
国会議員D.ガントルガ氏の議員資格を剥奪
国家大会議法では、国会議員は現行犯で証拠があり逮捕される以外の場合、議員資格の剥奪案を国会議員が国会に提出する権利はない。提出する権利がある機関は検察庁である。憲法裁判所の会議の過半数の決定で、この条項を憲法違反と見なすこととなった。これが最終的にまた法律となる。今回初めて国会議員の資格を剥奪する案が国会に提出されている。その議員がD.ガントルガ氏である。彼は現行犯で逮捕されてなく、裁判所の審議では証拠が特定されていない。法律によれば48時間以内に決定しなければならないのだが、先週の金曜日に国家大会議倫理最高委員会がこの問題について協議しても解決に至らなかった。48時間が過ぎたので国会自体が法律を反しているのではないかという問題が発生している。現行犯で逮捕された場合と定めた法律が2002年に施行されて以来、一人の国会議員もこの問題で議論されておらず、現行犯で逮捕される愚かな議員はいないという記事を読んだことがある。当時この法律を成立させる時は、司法機関自体が安定していなかったので国会議員の資格剥奪を保留するのを防止するためだったという。しかし、国民も国会議員も法律の下では平等であるという憲法を反したことが判明した。
この決定を主に人民党が出すに違いない。この1、2年で人民党が2つにわかれ、芝居を見せていることを私たちは知っている。今も彼らは33対32にわかれたままだ。D.ガントルガ氏はU.フレルスフ首相側の人間であり、33人の一人である。市民の間に広がっている1つの推測は、D.ガントルガ氏を首相が上手に解任させて自分がヘンティ県から立候補しようとしているというものだ。
S.バヤルツォグト氏、B.アリオンサン氏、B.ビャンバサイハン氏を逮捕
4月2日、賄賂対策庁は元財務大臣S.バヤルツォグト氏、元諜報庁長官B.アリオンサン氏、エルデネス・モンゴル社の元副社長B.ビャンバサイハン氏を汚職容疑で逮捕した。同事件が行われた2009年から既に9年間が過ぎている。ロイター通信が報道する以前から賄賂対策庁が慎重に捜査していた。賄賂対策庁によると、元財務大臣S.バヤルツォグト氏を2009年の投資契約に関して逮捕したが、B.アリオンサン氏とB.ビャンバサイハン氏については2015年の「坑内掘鉱山の開発・資金調達計画」に関しての逮捕とのこと。これは別々の事件を一つにまとめて捜査しているように見える。逮捕された容疑者も民主党の党員ばかりだ。2009年の投資契約に当時の財務大臣、鉱業電力大臣、自然環境大臣が署名している。しかし、何故バヤルツォグト氏以外の元大臣二人を事情聴取しないのかがおかしい。また、2015年にアラブ首長国連邦で「坑内掘鉱山の開発・資金調達計画」に調印をした当時の首相だったCh.サイハンビレグ氏宛に出頭要請を送付した。4月10日に賄賂対策庁はS.バヤル氏を拘留し、Ch.サイハンビレグ氏の身柄を拘束し留置する。
判決までは当時、賄賂の授受があったのかは誰にもわからない。しかし、2009年と2015年のこれらの契約がモンゴルの経済恐慌を救ったと言ってもおかしくない。2009年の経済恐慌の時、投資契約が恐慌回避に影響した。2015年に負債の返済ができずデフォルト段階に近づいた時、アラブ首長国連邦との契約がそれを救った。彼らがオユトルゴイ社から何ももらっていないと言うのは全部嘘だ。オユトルゴイ社はモンゴルで最大の納税者だ。国民に間接的ではあるが大きな影響を及ぼしている。オユトルゴイ鉱山の開発・利益はモンゴル国民全員に届いている。
デファクトレビューの一部を省略した。
日本語版制作:Mongol Izumi Garden LLC http//translate.mig.asia
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